マドリードの人が木曜にパエリアを食べる5つの理由

こんにちは、七夕です。

「パエリアは何曜日の献立?」っとマドリードの人に尋ねたら、みんさん「木曜日」と即答するでしょう。

でもなぜ?

それは、「la paella de los jueves」(木曜のパエリア)、みたいな決まり文句が染みついているから。

ではなぜ、木曜なのでしょう。

理由はいろいろあって、一つにしぼることはできませんが、よく言われることを5つほどご紹介します。

1. 泣く子も黙るフランコ総統

その昔、パエリア好きで有名なフランコ総統は毎週木曜日に外食を楽しんでいました。予約もせずに、どのレストランに入るかはギリギリまでわからなかったため、マドリードのシェフたちはみんな特製のパエリアを用意して総統の訪問に備えたそうです。

そんな木曜日もレストランは通常の営業をしなければなりません。考えたシェフたちは、準備したパエリアが無駄にならないよう木曜日のスペシャルメニューとしてパエリアを宣伝しました。それが、木曜日の特製パエリアです。

総統が入ったレストランにパエリアがなかったらその店はどうなるか、、、なんていうのは現代のジョークですが、まぁ、話が古すぎて私には想像もつきませんけどね。

2. お手伝いさんの都合

昔、富裕層の家で働くお手伝いさんたちは木曜日に休みをとったそうです。そのため、多くのリッチファミリーが木曜に一家そろって食事に繰り出しました。

レストランは団体様ご一行をお迎えしなければなりません。そこで大家族向けにイチオシされたメニューが特製パエリアで、これが老若男女、3世代4世代が集うファミリー客のこころをガッチリつかんだということです。

たしかにパエリアは団体さんには最適です。ワイワイガヤガヤ、その雰囲気で3倍美味しくなったりしますよね。

3. 魚介類の流通

その昔のお話し。

パエリアをよりいっそうスペシャルにするのが魚介類ですが、マドリードは内陸にあるため港からエビやイカが届くまで何日もかかったそうです。

週明けに獲れた新鮮な魚介類がマドリードに届くのが木曜だったことから、「木曜のパエリアは特別」というイメージで根付き、今もそれを引きずっているとする説があります。

これにはおじいちゃん、おばあちゃんの目がキラッと輝いてしまうことでしょう。

4. レストランの都合

マドリードに限りませんが、レストランの勝負は金土日の週末です。ここでがっぽり稼がなくてはならないので、シェフとしては金曜朝の仕入れには特に力が入ります。

でも、店の冷蔵庫がいっぱいだったらどうでしょう。思い切った仕入れができませんよね。そこでシェフは考えました。木曜日に一旦材料を使い切ろう!

で、ゴリオシしたのがパエリアだという説。作る側の気持ちがよくわかりますね。材料使い切り作戦のバリエーションとしては、コロッケ、肉団子、煮物、スープ類などがありますね。みなさん心当たりがあるのではないでしょうか。

5. 村のレストランで聞いた説

村のシェフの話なので、極めて個人的な意見でアレですが、、、

週末直前の木曜日はちょっと休みたい気分だそうです。怠けるのではなくて、、、充電したい気分ってところらしいです。

そんな時、パエリアは準備が簡単なのでピッタリとのこと。

大きなレストランはいざ知らず、家族経営のレストラン・バルの場合、長時間労働が基本ですからね。こうした生きるための知恵的な現場の声は、意外と核心をついているかもしれません。

あとがき

ということで、今日は木曜にパエリアを食べる5つの理由を紹介しましたが、マドリードにはもう一つ木曜の献立があります。

コシード・マドリレーニョ(cocido madrileno)。

寒い寒い冬のマドリードにぴったりな煮込み料理です。

材料はひよこ豆と牛豚とりの肉と骨、腸詰(チョリソー・モルシージャ)、にんじん、キャベツ、じゃがいも、ニンニク、豚脂。このあたりが基本。煮汁はスープとして有り難くいただきます。

冬場にマドリードを旅された方、こんな感じの料理を見かけませんでしたか?

paella 8

そういえば、先日長男が給食の献立表を眺めながら、「el jueves cocido!」(木曜日はコシード!)とつぶやいていました。それを聞きながら、これも食文化・地方色なのだなと思いましたね。

ちなみに村の小学校の場合、月に2回ほどこのコシードが出ます。もちろん木曜日です。うらやましいです、マジで。