ミシュラン☆1レストランのオーナーシェフがパエリアを語る!!

パエリア

こんにちは、マドリード片田舎在住の七夕です。

先日、っと言っても4月の末ゴロの話ですが、週刊誌にバレンシア出身の有名シェフ リカルド・カマレナ(Ricard Camarena) のインタビュー記事が載っていました。記事をのぞくと、少しですが私の期待通りパエリアについても語っていたので、その中からパエリアづくりの参考になりそうなコメントを4つほど紹介したいと思います。

参考記事 : ¿El secreto para una paella ‘diez’?

プロフィール

本題にいくまえに、リカルド・カマレナのプロフィールを簡単に。

名前 Ricard Camarena
性別 男
生年 1974年
出身地 Barx, Valencia
配偶者 Mari Carmen Bañuls (共同経営者)

運営店舗 (いずれもバレンシア)
Ricard Camarena Restaurant(ミシュラン☆1) ← 最もフォーマルなメイン店舗
Habitual
Canalla Bistro
Central Bar
・Ricard Camarena Colon
関連事業 (いずれもバレンシア)
Catering ← ケータリング
Ricard Camarena Lab ← 料理ラボ・料理教室
・Espacio Colon ← バンケット・ルーム
著書
2015年に Caldos-Broths というプロ~セミプロ向けのCaldo(出汁)の虎の巻を出版しています。

”バレンシア人にとってパエリアは宗教である”

毎週のようにパエリアを食べて育つバレンシア人にとって、パエリアは宗教のようなものなので、その伝統的調理法はそう簡単には壊せないと語りました。

祖母の作るパエリア、母のパエリア、妻のパエリアに親類知人友人のパエリア。伝統的家庭料理というものは、その土地で代々受け継がれていくものです。そういったものは当事者には壊しがたいのだと思います。

”Jamie Oliver のチョリソ入りパエリアは失礼ではない”

英国人シェフ、ジェイミー・オリバーのオリバー風創作パエリアが昨年話題になりました。スペインのネットでは袋叩き状態でしたがどう思いますかとたずねられ、それぞれのやりたいようにやればよいと答えました。

一方で、バレンシア出身の彼はトラディショナルなパエリアと大きく違うものに挑戦する気はないそうです。彼にとってパエリアは宗教ですからね。

もし彼が、コシード・マドリレーニョにタコを入れたり、トマトソースで味付けしたシャリで握り寿司を握ったりしたら、みんななんていうでしょう。炎上間違いなし?

でも、それでも彼は言いました。「伝統を壊したときにこそ料理は進化する」って。

彼はパエリアという「郷土料理」については保守ですが、それ以外では温故知新をモットーとする「挑戦するシェフ」ですからね。彼らしいコメントだと思います。

”パエリアで最も大切なのは油の量”

トリ&ウサギのパエリアの場合、お米1キロに対して油200~250グラムが適量だそうです。お米の1/4~1/5と覚えるとよいでしょう。

しかし、250グラムあれば十分などとサラッと言っていますが、250グラムってすごく多いですよ、マジで。このあたり、日本の炊き込みご飯とはやはりだいぶ違います。

ちなみに、油が少ないとお米のでんぷんがフライパンにくっついて焦げます。それを防ぐのが油です。でも、多すぎると油ギッシュでNGなのでご注意を。

在スペインの日系企業の駐在員が、来西する日本人の接待でパエリアが続くと胃腸の調子が悪くなる、などとぼやいているのをよく耳にします。名店になればなるほど油をしっかり使ってパラパラっと仕上げますからね。1日2日ならいざしらず、3日も4日も続けてパエリアとなると、日本人の胃にはキビシイと思います。バレンシア人だって毎日パエリアを食べているわけではありませんからネ。そのへん誤解してはいけません。

また、油の量の補足として、ダックがはいれば幾分減らすとのこと。素材に応じて油の量を見極め、しっかり量るのが大切だとも語りました。

”お米はバレンシアのボンバ米が最適”

米どころバレンシア地方にはArroz SeniaArroz Bahia、Arroz Albufera、Arroz Bomba(ボンバ米)といったぐあいに、たくさんのブランド米が存在するわけですが、彼の場合①ボンバ、②Bahíaだそうです。

ボンバ米(スペイン語:arroz bomba)は短粒種の米である。主にスペイン東部で栽培されている。パエリアやその他のバレンシア料理で一般的に使われており、そしてしばしばバレンシア米と呼ばれる。アミロペクチンを含む為に短粒である。
出展 : wikipedia ボンバ米

また、彼は特に玄米信者ではないので玄米は使わないとのこと。昔ちょっと凝ったときもあったようですが、今は使わないそうです。

玄米のパエリアってなんだか不思議ですね。私は見たことありません。こんど自宅でやってみようかな。

まとめ

いかがでしたか?

スペイン料理界のスター・リカルド・カマレナのパエリア論(?)。

リカルドは若いころトランペット奏者として活動していていました。料理を本格的に始めたのは大人になってから。たしか、、、26歳の時に音楽を捨てて料理に打ち込むことを決意したとナニカで読んだ気がします。

彼はその後15年余りでミシュラン☆1レストランを3店(2店はクローズ)育て上げましたからね。よっぽどセンスがあるのでしょう。

しかし、修業期間の短い(ほとんどない)一流シェフっているもんですね。ホリエモンの修行不要論を証明するかのような経歴の持ち主だと思います。

インタビュー自体は多岐にわたり、パエリアはむしろメインテーマではありませんでしたが、きょうはここをご覧のパエリア通のみなさんを意識しながら書いてみました。オレ流パエリアの参考になれば幸いです。

それでは、また。
自称パエリア通・七夕でした。

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